病院の広報を考えると、一般にはパンフレットや広報誌HPをはじめとする各種のツールについてはデザインの善し悪しや使い方ばかりが話し合われどちらかというと、病院広報の本質は議論されることがない。
病院広報の本来の目的は、自院に関わるすべての人に自院の組織的活動や自院の目指すヴィジョンを正確に理解してもらいその実現に向けた協力的な行動(ヴィジョンへの参加)を促すことにある。簡単に言えば、自院が組織活動を円滑にお粉ル環境整備に使うものである。まあ、言うは易く、行うは難しの典型かもしれない。と言うのも病院は完全なサービス業で組織活動を代替えする商品を形として持っていないと同時にいわゆる医療サービスの本質は外部からは見えにくいため、どちらかというと、設立母体の大小や病院規模そして設備などのハード面で組織活動内容をイメージされがちだからである。
たとえ、優秀なスタッフを抱え、良質な医療を展開していても適切な広報活動を行わない限り、外部のステークホルダーからは理解されない。その結果、自院の機能にふさわしい患者や人材を集める事ができないと言うことになる。ステークホルダーとは利害関係者つまりは患者を意味している層だからこそステークホルダーの理解が必要になる。
そのために、病院広報は、見えにくい組織活動を誰にも見える形にすることが必要になると同時にステークホルダーの行動を促す仕組みを作ることの2つを行う必要がある。病院の行う組織形態を考える前に基本的な形を整理すると、まず第一に最上位に通常理念という言葉で置き換えられるところの組織目的がある。つまりは、組織活動も目的は理念を明確にする必要がある。次に理念を実現するために必要な概念として組織活動の領域や提供するサービス組織活動を展開する為の事業構造一般的にはヴィジョンと言われているものがある。そして、最後にヴィジョンを実現するために必要な戦略と言うことになる。
理念、ヴィジョン、戦略それぞれの概念が上位から3角形の広がりを持つ階層構造を持って下位概念へと一貫して整っている。これが組織の形と言うことになる。理念とヴィジョンと戦略をわかるような形として明確に打ち出すことこれが重要なポイントである。
こんな事を書くと当然そんなこと流行っているという反論が必ず出るが簡単にはできていないというのが率直な感想だ。その証拠に、最上階の理念は近隣病院と同じようなものと言った例は枚挙にいとまがない。自院はどんな病院であるか?どんな病院になりたいのか?この2つの問いに対して職員や、患者地域住民、地域医療機関の関係者から同じ回答を得ることのできる病院は問題ない。
逆に回答にずれがあると組織目標の達成は望めないということになる。自院の現状を様々な角度から検証することによって徹底的に分析を行い、ヴィジョン、戦略の再検証を行って新しい、形を作り与えそして伝える必要がある。
ここでいう様々な角度とは自院の弱みや強み、医療の未来像,地域事情,自院がなりたいと考える病院像、自院のこれまでの歩み、創業の理念などを言うのだ。
また、再検証作業には、得意分野に関する客観的なデータや評価、地域事情や社会情勢を加味した事業領域の選定、自院でカバーできない領域の連携、患者の関わり合い方など広範な視点からの検討が必要になる。