中央社会保険医療協議会は18日の総会で、現行の調整係数に代わってDPC対象病院に適用する基礎係数を、「大学病院本院群」など3つのグループごとに設定する内容の中間報告案で大筋で合意した。中医協は合意したのだそこが重要だ。
その上、DPC評価分科会の小山信彌分科会長が報告したが、委員から3通りの設定への反対意見はなかった。
中間報告は、DPC対象病院を大学病院本院群(80病院)のほか、「高診療密度病院群」(仮称)と「その他の急性期病院群」にグループ分けし、これらのグループごとに基礎係数を設定する内容だというのだ。
グループごとの診療密度を分析し、それぞれの基礎係数を設定するという。オンラインレセプトなのだからこのお分類は簡単にできると思う。はたまた、現在は6項目ある機能評価係数2のうち、「救急医療係数」や「地域医療係数」など4項目はグループごとに設定するというのだ。各グループの病院に求められる役割や機能が異なると考えられるためだ。これは事実上の病院の機能分化だ。
もはや、勝ち組と負け組みを確実に分類するということで病院の存亡がかかる。厚労省は、ほくそ笑むはずだなんといっても病床を減らすことが出来る仕組みを確実にモノにしたからだ。
厚生労働省は、2012年度以降、何回かの診療報酬改定を経て、こうした形に切り替えたい考えもっている。最終形に何年後に移すかは、年明け以降に中医協で議論する。小山分科会長は同日の総会の席上、現場の混乱を避けるため、少なくとも16年度までかける必要があるとの認識を示した。と言うことは4年間で病院の整備をしようとしているということになる。もはや逃れられない状況に陥った。
DPC対象病院のグループ分けをめぐっては、当然のことながら「高診療密度病院群」の要件の設定が焦点になっていた。当たりまでだ。1群は大学病院群としているからだ。
厚労省側は当初、DPC病床当たりの医師数を組み込む案を分科会に提示したが、「医師の獲得競争が起きかねない」との懸念が強く、中間報告では見送った。
代わりに、高度な医療技術の実施状況を測るため、一定の手術件数や、協力医師が必要な難度の高い手術の実施などを組み込むことになった。また、医師の研修機能を担保するため、病院側の採用活動に左右されない免許取得後2年目までの初期研修医の人数を要件に加えるつもりだ。ここまででこの高診療密度病院群に入るのは非常に難しい病院が多く出てくるだろう。とうとう、強制的に病院の統廃合を始めるに等しい状況になってきたように思う。
意見交換では、「ナショナルセンターでは、後期研修へのレジデント制をきちっとやっている。初期研修だけだと門前払いになる」と述べ、研修機能の要件に配慮するよう主張。厚労省側は「(ナショナルセンターを含む)特定機能病院については研修要件を除外するなど、工夫の余地はあると思う」と応じた。
支払側は、「高診療密度病院群」について、高度ながん治療を実施しているなど高機能の病院に限定するよう求めた。その他の急性期病院群に位置づけられた病院はおそらく統廃合の対象になるのだろう。
社会保障の充実を政策に掲げているが、事実上4年~6年で医療機関を整理し社会保障費の抑制を図る制度になっている。もはや医療機関の存亡は努力以外の何者でもない。